セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「…どう?杏やっていけそう?」



スイセン生命の保険外交員に誘ってくれた友人の江上夕夏(エガミユウカ)と一緒に駅まで歩いていた。



彼女は私が以前…バイトしていたフラワーショップの正社員として勤めていた。


でも、外交員の方が給料がいいコトを知り、退職。


彼女は常にトップの営業成績を取るスーパー外交員だった。



「…夕夏さんは凄いですね…どうやったら、契約取れるんですか?」


「…私のやり方は邪道だし…男性恐怖症の杏には多分…出来ないと思うけど…」


「邪道?」



「…うん」



夕夏さんは立ち止まって…私の耳許で呟いた。



「私…枕営業してんの」



「えっ!?」


「これからも…実は営業…だから、ここでお別れ…お疲れ様…杏」



ほろ酔いの夕夏さんは手を振って、青信号の横断歩道を斜めに渡っていった。






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