セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
渾身の力で閉めようとするけど、私は玄関に突き飛ばされた。


武の力には敵わない。



「何しに来たの?」



「金をくれ」



「…あなたには新しい…女がいるでしょ?」



「…出ていった…」



倒れ込んだ私の身体を跨いで、土足で中へと入っていく。



「今夜は冷麦か…理沙はどこだ?」



「ともかく、靴を脱いで」


「うるせぇなぁ」


武は乱暴に靴を脱いで玄関先に投げ捨てる。



「…理沙は…熱を出して寝込んでるの…」



「みたいだな」






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