Bloom ─ブルーム─
プルルルルル

プルルル……

「あ、勇だ。ベースやってた奴。ちょっとごめんね」

2人で大笑いの中、間を裂くように鳴り出した先輩の電話。

ちょっとだけ現実に引き戻された気分。

今頃友里亜達どうなったかな。

「もしもーし?」

『ちょっと大ちゃん、何やってんの?どこにいるの?隠れてないで出てきなさーい!』

「うわぁっ」

予想外に大きく漏れ出した声に驚いた彼が、電話を耳から遠ざけた。

相手は相当興奮してるのか、隣にいる私にまで聞こえる声で話してる。

思わず私まで、彼と一緒にビクッと飛び上がってしまった。

でも、あれ?ベースの彼って言ってたはずなの
に、漏れてきた大きな声は明らかに女性のものだ。

彼女……かな。

確かに、いない方が不自然か。

よく見たら……いや、よく見なくたって、結構可愛い顔立ちしてるし。小顔だし。金髪に近い茶髪とか似合ってるし。

優しそうだし。人懐っこいし。面白いし。歌上手いし。

「は?お前勇の携帯使って電話してくるなよぉ」

『だってそうでもしないと出てくれないじゃん!とにかくソッコー体育館来いっつーの!』

「だってさぁ」

『つべこべ言わない!みんな期待してんだから!いーい?来ないと丸刈りにするよ』

ブイーンと、バリカンみたいな音まで聞こえた気がした。
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