Bloom ─ブルーム─
夢みたい。夢みたい。

さっきのステージ上の彼の声が、また頭の中で蘇る。

ドキドキする気持ちを押さえきれずに、今か今かと彼が歌い出すのを待っていた私。

緊張と興奮で胸がはち切れそうになった時、彼はすーっと息を吸い込み、口を縦に開いた。

あれ?と思った時には遅かった。

「石狩平野に朝が来てぇ~山並みはるか、仰ぎ見てぇ~」

まるで合唱団。

いや、オペラ?ミュージカル?

どれにしても、私が期待してたのじゃない!

てか

「先輩!それは校歌じゃないですかっ!やだ!そういうんじゃなくてっ」

「ぶはははは!俺、上手いでしょ?合唱部入ろうかな」

「もう!期待して損した!」

私は自然に彼の腕をペシペシと叩いていた。

何だろうこの感じ。

先輩なのに、年上な雰囲気まるでなくて、今日初めて会ったのに、昔から知ってるみたいに話しやすい。

先輩もこんな私をフツーに受け入れてくれていた。
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