弁護士先生と恋する事務員



(――先生っ……!?)



燃えるように熱い体が、たくましい腕で私を閉じ込める。



私がすっぽり隠れてしまうほど、大きな体。

身じろぎすらできないほど、強い力。



その圧倒的な差が、先生は男で、私は女だって事を知らしめる。



「詩織……」


耳元で、熱い吐息と共に先生が私の名前を呼ぶ。

背中を包む二本の腕が、ブラウスの上をまさぐるように動き出す。


「ちょ……せ…んせ…」


両手で押し戻そうとしても、先生の体はビクともしない。

逆に、暴れる私の手首を掴まれ、ベッドに縫い止めるように押し付けられてしまった。



(冗談じゃないの?どうして―――)



火傷しそうなほど熱い体。


汗と香料の混じった、先生の匂い。


もつれ合うたび、ギシギシと軋むベッド。



オーバーヒートしそうな心臓の鼓動は

もはやどちらの音かわからない。



「詩織…、お前は無防備すぎるんだよ」


そう言った唇で先生は


チュ……


私の首筋に吸いついた。



「あっ……!」



ゾクリとした感覚が一瞬で体を走り抜け、背中が跳ね上がる。

私の声に勢いを増すように、先生の唇がチクリ、チクリと肌に吸いつきながら

鎖骨へ向かって移動する。


「…先生、も…ダメですよっ……」


(先生、絶対変だよ…失恋のせいでヤケになってる!?――)

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