時を超えた愛~新選組と私~【完】
いくら後ろを向いてるといってもドキドキする。
着ていた制服を脱いで横に、たたんで置く。
そして原田に渡された着物に袖を通した。
これでいいのかな…?
「原田さん、これでいいですか?」
声を掛けると原田さんは、あたしのほうを向き
「あぁ。じゃぁ、こっちおいで」
手招きされ原田の前に立った。
「ちょっと、ごめんな」
そう言われたと同時に原田さんが帯を持ってあたしの背中に手を回した。
めっちゃ近い…。
今度こそ、あたしの心臓の音が聞こえちゃうんじゃないか…。
ドキドキしながら、だけど時間が止まってしまえばいいとさえ思ってしまうあたしがいた。
だけどそんなことはなくて、すぐに原田さんが離れてしまった。
「ありがとうございます」
お礼を言ったあたしは、きっと顔が赤かったに違いない。