時を超えた愛~新選組と私~【完】

「明里…」


山南さんは淋しげな瞳で彼女を見つめた。


彼女を見る山南さんの瞳は、とても優しかった。


それから20、30分ほど話していたと思う。


あたしと永倉さんは少し遠く離れたところで二人を見守っていた。


「そろそろ…時間だな」


永倉さんが明里さんの元へ行った。


「もう、そろそろ時間だ」


だけど明里さんは


「嫌です!!もっと敬助さんと話したい!!話すことがたくさんあるんです!!」


そう言って格子を掴んで離そうとはしなかった。


だけど、それを見ていた山南さんは


「明里…これまでずっと私の傍にいてくれてありがとう。明里と一緒にいる時だけは戦うことを忘れられたよ。君の笑顔が好きだった。君の声が好きだった。君の笑い声が好きだった。こんな私と一緒にいてくれて、ありがとう…」


そう言うと“すーっ”と障子を閉じてしまった。


「敬助さぁぁぁんっ!!!!」


明里さんは大声を出して山南さんの名前を呼んだが山南さんからの返事はなく、明里さんは泣きながら山南さんの元から離れた。

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