たなごころ―[Berry's版(改)]
派手な音と共に。空になったカップをソーサーへ戻し、箕浪がやっと口を開いた。
「パーティは俺が出るって言っただろう」
驚きを隠せない笑実とは違い。口元で弧を描き、喜多は眸を細める。頬杖を付きながら。
既に呼吸の落ち着きを取り戻した箕浪も、深くソファーに座りなおし言葉を続ける。脚を組んで。
「美しく着飾った猪俣笑実の隣に、何故喜多が立つ。喜多にはもったいない。俺がエスコートするのが当然だろうが」
「箕浪、パーティだぞ?お前に出席できるか?」
「俺を誰だと思ってるんだよ。わにぶちの問題児だぞ。愛の力を得た俺は無敵なんだよ」
箕浪の発言に、堪えきれないとばかり。喜多が声を上げ笑い出した。その笑いは店内に響くほどで。更に驚いた笑実は、ロフト状になっている2階から店内を見下ろす。他の客に迷惑になるのではと思ったからだ。しかし、それは杞憂で。カウンター内に立つオーナーも、声を上げ笑っていたのだ。隣にいる箕浪は、嬉々として眸を輝かせている姿を前に。笑実はソファーにうな垂れるように、頭を抱えた。
ようようと、息を落ち着かせた喜多が口を開く。
「パーティは俺が出るって言っただろう」
驚きを隠せない笑実とは違い。口元で弧を描き、喜多は眸を細める。頬杖を付きながら。
既に呼吸の落ち着きを取り戻した箕浪も、深くソファーに座りなおし言葉を続ける。脚を組んで。
「美しく着飾った猪俣笑実の隣に、何故喜多が立つ。喜多にはもったいない。俺がエスコートするのが当然だろうが」
「箕浪、パーティだぞ?お前に出席できるか?」
「俺を誰だと思ってるんだよ。わにぶちの問題児だぞ。愛の力を得た俺は無敵なんだよ」
箕浪の発言に、堪えきれないとばかり。喜多が声を上げ笑い出した。その笑いは店内に響くほどで。更に驚いた笑実は、ロフト状になっている2階から店内を見下ろす。他の客に迷惑になるのではと思ったからだ。しかし、それは杞憂で。カウンター内に立つオーナーも、声を上げ笑っていたのだ。隣にいる箕浪は、嬉々として眸を輝かせている姿を前に。笑実はソファーにうな垂れるように、頭を抱えた。
ようようと、息を落ち着かせた喜多が口を開く。