たなごころ―[Berry's版(改)]
「悔しいですか?」
「それはもちろん」
「出来ることなら、見返してやりたい。もしくは復讐してやりたい?」
「復讐って……それは、どうでしょう。今はただただ混乱していて。自分がどうしたいのか。わからないというのが正直な気持ちです」

 眸を細め、喜多は極上な笑みを作る。反するように、箕浪は自分で用意した紅茶に口を付けるだけだ。訝しげに、笑実は眉間に皺を寄せる。

「もし。貴方が彼に復讐を、一矢報いたいと望むのでしたら。私どもがお力になれると思います」
「え?」
「どうでしょう?この件、私どもに委ねてみませんか?」

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