たなごころ―[Berry's版(改)]
「続けないんですね」

 笑実の問いに。箕浪は肘を立て、そこに自身の頭を乗せ、身体を向かい合わせ答える。

「続けて欲しかったのか?」
「うーん。避妊具がないことで、箕浪さんが引き下がったことが意外でした」
「排卵期を確認して、安全だったら生でつっこんむとか。外で出すから安全だとか。俺、嫌なんだよ。セックスなんて快楽を求める行為に、お互いが冷静で居られる訳はないんだ。あんな本能だけに突き動かされる最中に、絶対なんてないだろう?」
「……箕浪さん、ちょっと言葉が……」
「大事な話だろ。誤魔化すべきじゃないと思うし、笑実には誤魔化したくないから話すんだ」

 真摯な眼差しを向ける箕浪に、笑実は頷く。言葉は相変わらず乱暴ではあるが。茶化されているわけでも、ふざけているわけでもないと、笑実にも十分伝わってきていたからだ。自分を大事にしてくれているのだと、直接に愛を囁くような言葉ではないけれど。箕浪の思いが理解できていた。

「もちろん、子供が出来る可能性のある行為だとは理解してるし、そこから逃げようとも思ってはいない。でも。俺の周りは、未だに古臭い考えのやつらが多い。順番に拘る人間も。笑実との先を考えるなら、取り除ける問題は、ないにこしたことはないだろう?それに」
< 185 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop