桜龍
第一章
満月の夜
満月の夜
あたしの周りには血まみれの奴らがいっぱいいた。
「はぁ……、まーたやっちゃったなぁ」
クシャ、と金色の長い髪を掻き回すと足元にいる男が「うっ…」痛そうにお腹を抱え込んだ。
あぁ、まだ意識あったのか。
でもね、あたしは
そこまで優しい人間じゃないよ。
「ふふ、痛い?」
「お、まえ…」
「だーいじょうぶ。あたし、優しくないけどもう手は出さないよ」
歌うようにそう言ってあたしは足を思いっきり上げてあたしの足は男のお腹に直撃した。
「ぐあぁああ!!」
足は、出すけどねーー
変な音したけど、大丈夫かな?骨折れたんじゃない?
あーあ。意識失ってるじゃん。
でも、まだマシだよ。
昔のあたしなら、あんた達を半殺しにしてたもんね。
酷い時なら……それ以上じゃない?
「あんたらの“罪”は、これぐらいにしといてあげる」