Please Me Love.
紙ヒコーキ
あれから8ヶ月が経ち、11月になった。
そして今日、私は紙ヒコーキを片手に家の裏の土手にいた。
土手を少し行くと橋があり、そこは人通りが少なかった。
「和ちゃん…。」
私が呟いたその声は、どんよりとした曇り空に吸い込まれていった。
夕方、ただで暗いはずの空に立ちこめる雨雲からは、今にも雨が降ってきそうだった。
あれから8ヶ月。
恐らく、気持ちは薄れていなかった。
何も、変わってない。
雨を見れば和ちゃんを思い出して苦しくなる。雨の中泣いたあの日々を、思い出すから。
いや、雨が降っていなくたって…思い出す。
それは恋なのか、未練なのか、はたまたどちらとも違うものなのか。
私にはもはや分からなくなっていた。
時間の経ち過ぎた私は、思い出からも、和ちゃんからも、嫌な部分を消し去ってしまっていた。
要するに、綺麗にしてしまったんだ。
それは無意識であって自然で、人間はよくできたものだとそこで実感する。
綺麗になりすぎてしまったそれらは、欠点なんてまるでなくて、だから私はそれらを否定することができない。
否定されることのない思い出や和ちゃんは、私の中で褪せることなく輝き続ける。
そして今日、私は紙ヒコーキを片手に家の裏の土手にいた。
土手を少し行くと橋があり、そこは人通りが少なかった。
「和ちゃん…。」
私が呟いたその声は、どんよりとした曇り空に吸い込まれていった。
夕方、ただで暗いはずの空に立ちこめる雨雲からは、今にも雨が降ってきそうだった。
あれから8ヶ月。
恐らく、気持ちは薄れていなかった。
何も、変わってない。
雨を見れば和ちゃんを思い出して苦しくなる。雨の中泣いたあの日々を、思い出すから。
いや、雨が降っていなくたって…思い出す。
それは恋なのか、未練なのか、はたまたどちらとも違うものなのか。
私にはもはや分からなくなっていた。
時間の経ち過ぎた私は、思い出からも、和ちゃんからも、嫌な部分を消し去ってしまっていた。
要するに、綺麗にしてしまったんだ。
それは無意識であって自然で、人間はよくできたものだとそこで実感する。
綺麗になりすぎてしまったそれらは、欠点なんてまるでなくて、だから私はそれらを否定することができない。
否定されることのない思い出や和ちゃんは、私の中で褪せることなく輝き続ける。