忘れられない
私の家の前に着き、

立ち止まった。


「じゃ、帰ったらメールするわ」

「わかった!してねぇ」


手を振ったその時だった。


背を向けた江口が、

立ち止まったり、

しゃがみ込んだ。



「江口?…」



私は、

異変に気付き

すぐに駆け寄った。


「ど…どうしたの?」

「やっぱり…無理だ…」

「え?」

「……」


黙り込んでしまった

江口に触れようとした瞬間、

江口が少し震えているのに

気が付いた。



「ねぇ…どうしたの??」


返事をしてくれない。


「江口ってば!!」

「だから、お前とは無理」

「……」





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