忘れられない
何…それ?…

今度は私が黙り込んでしまった。


「いや、無理って言うか…

俺に自信がない…」


「へ…?」



「お前と続けていける

自信がない…」


その言葉に、

私の胸は痛んだ。


「なんで…?」


「お前と、中学違うだろ?…」


聞いている内に、

私の眼に涙がたまる。


「うん…」

「だから…ゴメン」

「本当に?」

「え?」

「理由は…それだけ…?」


江口の顔を

さりげなく覗いてみると、

江口は眼を見開いて、

驚いていた。



「それだけ…だよ…」


ためらった江口を

責める事もなく、

静かに空を見上げた。


「そっかぁ…」


すごく切ない…。


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