激甘男子の愛し方
聞き覚えどころか、一瞬で、しかもたった一言でこの声が誰か理解してしまう俺。
俺の頭がどれだけこの子に支配されてるか、こんな時に実感してしまう。
そっとその声に誘われるように、その教室のドアを少し開けた。
……やっぱり。
その教室に居たのは、想像した通りの人。
でも、俺の目に入ってきたのは真子だけじゃなかった……
「そこもっとざっくりと混ぜていいから」
「あっ、うん」
仲むつまじく俺に背を向けて、何かをしている2人。
調理台の上には、ボールやらが置かれていた。
何か作っているのか……?
『何を?』『どうして?』
そんなことを疑問に思うことはなかった。
俺の頭を占めたのは……
『その男は誰だ?』『なんで真子なんてなれなれしく呼んでるんだ?』
そんなことばかり……