激甘男子の愛し方


「睨むなよ」



無意識のうちに目の前のそいつを睨みつけていた俺。



「何があったかしらねぇけどさ、真子のことあんまり悲しませるなよ」



そいつの口からそんな言葉は聞きたくもなかった。



『真子』という名前も、『悲しませるな』という、真子を理解しているかのようなセリフも…



「っ。お前に言われる筋合いないんだけど」



ほんの少しの強がり。




「まぁ、そうだな……。でも、悲しませてるのはお前だろ?」



「っ―……」



「あいつのこと、笑わせてやれよ」



「……お前に言われなくても、そうするつもりだ」




「ふっ、あっそ」



不思議な雰囲気をもつ男。



そのまま店の中に戻っていった。




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