激甘男子の愛し方


大声を出したせいで、はぁはぁと息が荒れる。



朝から叫ぶのも疲れるんだから……




――シーン



……静かになった?



きつく言い過ぎたかな……?



でも、あんなセクハラ行為を朝から受けたくないし。



「はぁ―……」



何個か外されたボタンのを続きから外していく。



制服のブラウスに袖を通して、藍色のニットを羽織る。




スカートは赤のチェック。



けっこう高校生の制服としては可愛い方だと思う。




実際にこの制服目的で入学してくる人が多いって聞いたし。




まぁ、あたしはここがパパとお母さんの卒業した高校だからって理由だけで入学した。




パパとお母さんの出会いの場所に入学すれば、あたしももしかしたら素敵な人に出会えるかもしれないって淡い想いを抱えながら……




でも、そんな淡い夢は簡単に散った。




< 5 / 339 >

この作品をシェア

pagetop