激甘男子の愛し方

でも……違う。




あたしは洸の『家族』じゃない。



たまたま小さい頃から一緒にいる赤の他人。




ましてや洸の大事で大好きな『娘』でもない。



たまたま父親がいないだけの幼なじみ。




なのに……なんで？




そんなに大事なら……



大好きで大切だって思うなら……



なんで……



『娘』や『家族』なの？




血のつながりなんてないんだから……




――『女』として、あたしを見てほしい……




「っ―……」



「ほんとに、気付くのが遅いんだから。ってか、その感情を自覚できたのも、何かきっかけがあったからかもだけど……」




美知佳の呟くような声が、耳に届いた。