シュガーレスキス
「話した男の数だけキスするから」

 こんな事を言われた時は、本当に“この人頭は大丈夫なんだろうか”と思ったぐらいだ。
 なのにそれを律儀に守ってしまった私。

 聡彦は逆にこんなバカ正直な私に呆れていたみたいだけど……。

 色々あったけど、今私を強く抱きしめてくれているのは、本当にあなたなんだね。
 夢かなって思うぐらい近い距離であなたの静かな寝息が聞こえる。

 うっとりするよ。

 聡彦の声。
 聡彦の手。
 聡彦の香り。
 全部好き。全部大好き。


 私は聡彦と初めて一緒に夜を過ごした。
 何故か寝付けなくて、彼を好きになった頃から今までの事を思い出していた。

 リアルな聡彦があまりにも強烈だったから、私は聡彦の何を好きになったのか忘れるところだった。
 付き合うようになっても、彼はあまり自分の核心を語ろうとはしなかった。
 本当の部分は常にミステリアス。
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