シュガーレスキス
 別れた訳じゃないけど、3週間も音信不通だと、もうふられたのかなって思ってしまう。
 だから、私は八木さんに仕事が終わってから食事を誘われたのを断らなかった。
 沙紀は八木さんは駄目と判断するのが早く、すでに違う恋人を見つけて今日はデートだ。
 そのおかげで、彼女も私に対する態度が少し和らいでいる。
 
 そう考えると……人間の心も不安定なものだなっていうのは納得する。

 でも……でも。

 私と聡彦は片思い同士じゃない。
 ちゃんと愛情を確認しあった仲だ。
 彼は私の体を大事にしてくれて、最後の体の関係まではいってないけれど……肌を合わせて抱き合った事は何度もある。

 恋人だ。
 聡彦は、私の心から愛する恋人なのに……。

 落ち込む私を励ますように、八木さんが明るくなるように色々話題をふってくれていた。
 私は串焼きをムシャムシャ食べながら彼の話を聞いて、時々笑ったり相槌を打ったりしていたけど、心は完全に上の空。
 それに気が付いて、八木さんはちょっと寂しそうな顔をした。
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