あの夏の季節が僕に未来をくれた
「もしかして……気付いてた?」


俺がそう聞けば、母は気まずそうな顔で目線を外す。


「知ってたんなら、何で教えてくれなかったんだよ!」


ショックだった。


俺は何も知らなかったっていうのに、母は知ってたんだ。


俺がおかしいのをわかってて、何も言わずに知らん顔で今までいたなんて……


「違う……そうじゃないの……

何かおかしいなって時は確かにあったけど……

そんなに重大なことだとは思わなくて……

雅紀が……お母さんやお父さんに話をしてくれるようになったことが嬉しかったし

だから……余計なことを言って、また話してくれなくなったらって思ったら怖かった

雅紀が悩んでるなんて知らなかったから……

ほんとにごめんなさい」


また、俺のせいか……


結局いつも俺は周りに気を遣わせているんだと、自分が情けなくなった。


余計なことを言えば話してくれなくなると思わせたのは俺だ。


今までの態度が、そう思わせたんだとしたら、やっぱり俺のせいなわけで。


怒鳴ってしまったことを、強く後悔した。


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