あの夏の季節が僕に未来をくれた
黙りこんだ俺を心配するように、母が声をかけてきた。


「今までも……あったの?

その……こういうこと」


そう聞かれて俺はまた思い出した。


佐伯と初めて会話した日のことを。


あのときのことはずっと、不思議に思ってた。


教室で居眠りしていたほんの少しの時間。


佐伯は俺が気にするからもう今は言わなくなったけど、かなりベラベラと俺は喋っていたらしい。


今日の出来事と似ている部分は確かにある。


あの時から……


もしかしたら、俺のおかしな行動は始まっていたのかもしれない。


だけど、俺がちゃんと把握しているのはこの二つの出来事だけ。


ひょっとすると、もっと俺の知らない間に、勝手に行動したり、誰かと話したりしていることがあるのかもしれない。


「母さんは最近、俺の様子が変だなとか……思ったことない?」


俺が知らないとしても、周りの人間なら変だと気付いたことがあるかもしれない。


母は一瞬ピクッと反応した。だけど、言おうか言うまいか迷っているような素振りを見せる。


何か知ってるんだと思った。


母は俺の変化に気付いてたんだろうか?


< 183 / 248 >

この作品をシェア

pagetop