あの夏の季節が僕に未来をくれた
さっき言ってた会話の中に、俺じゃない何かを感じ取ったんだろうか?


「今朝、三人で一緒に朝ごはん食べたって言ったでしょう?」


やはりその時に何かあいつだとわかるキーワードがあったんだろうか?


俺は母の言葉に無言で頷いた。


「今朝は夏休みなのに制服着て起きてきたことにも驚いたんだけど、朝からリビングに入ってきてすぐに、にこにこしながらおはようって言ったのよ

お父さんも一瞬ビックリしてたわ」


なるほど……


俺は本来、寝起きが悪い。


挨拶くらいはするけれど、仏頂面でテーブルについてから、ぼそぼそ言うタイプだ。


確かに、その登場の仕方は弟と見間違えてもおかしくはない。


だけどやっぱり、それだけじゃ弱い気がした。


そんな俺の表情を読み取ったかのように、母は続ける。


「それとね?

席について、ご飯を食べ始めようとした時、テーブルのおかずを見回して、ガッカリした顔をしたのよ……

雅紀、何でだかわかる?」


俺にはまったく見当もつかなかった。


それだけで母は何に気付いたって言うんだ。


俺は首を横に振り、わからないと素直に答えた。


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