あの夏の季節が僕に未来をくれた
父とは母も交えてあれから三人で話し合った。


やはり父も、あの朝俺の様子がいつもと違うことに気づいていたらしい。


もしかしたらって思いもあったようだった。


結論から言えば、家族三人でこれからは仲良くやっていこうってこと。


あいつが心配しないように、これからは佐伯の家みたいに何でも言い合おうって。


そんなことを家族会議みたいに話し合って決めたのは、今から一週間前の話だ。


家族みんなで仲良くやりましょうなんて、話し合って決めるなんておかしな話だけど。


俺たちには必要なプロセスだったんだ。


そんな思いを三人ともそれぞれ抱えながら、俺たちは今日の新盆を迎えた。


いつまでもこの世に留まってるなんて、いいわけがないって、父も母も俺も……思ってたから。


本来なら親戚や知人なんかも呼ぶものらしいけど、弟の場合は事情が事情だけに、家族だけでやろうと決めた。


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