あの夏の季節が僕に未来をくれた
一年に一度、弟の命日に、あいつが俺の家に寄るのはいつしか恒例になっていた。


それを楽しみに待つうちに、織姫と彦星みたいな気持ちになったんだろうか?


俺としては可愛い妹と、大事な親友がくっつくのは喜ばしく思ってた。


だけど肝心の青木が、妹を妹としか見ていないことに問題がある。


昨日、電話した時もまったく気づくことなく、俺をからかう余裕まであった。


あの頃、中学生だった妹も、もう今ではとっくに成人して大人の女性になってる。


そのことに、あいつが気づいてるんだか気づいてないんだか……


今のままでは完璧に女として見てもらえないだろう。


青木にとって奈々は可愛い妹でしかないんだから……


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