あの夏の季節が僕に未来をくれた
「おい、奈々!」


「なに?」


「あいつにお前から話したいことがあるって言っといてやったからな?」


「え!?なっ、なにそれ!」


「頑張れよ?」


「ちょっ!お兄ちゃん!?何言ってんの?

もう!そんなんじゃないもん」


真っ赤な顔でそう言い捨てると、妹は慌てたようにまたキッチンへと走っていった。


青木は気づいてるんだろうか?


毎年、この日に必ず青木のために、奈々がケーキを焼いてることに……


(今年こそは実るといいな?)


俺はキッチンで一生懸命ケーキを作ってる奈々の背中を見ながら、そう妹の幸せを願った。


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