あの夏の季節が僕に未来をくれた



案の定、俺は第一志望の高校には受からなかった。


まあ、覚悟していたから特に悲しくも悔しくもないんだけど。


だけど兄貴や一緒に受けた奴らは申し訳なさそうな顔で合格したことを報告してくる。


気にすんなよっ、て言うことしか出来なくて、俺は落ちたはずなのに、受かった誰よりも明るく振る舞った。


周りが勘違いするほどに……


俺はあの時点で発作が起きたことは、自分の運命だと受け止めていた。


あの高校には縁がなかったんだと。


そしてそれは彼女に対しても言えていた。


同じ学校なら問題になるかもしれない教師と先生の恋愛も、学校が違うことで少し緩和するかもしれない。


そんな気持ちで俺は同じ学校で毎日会えることよりも、学校の外で一週間にいっぺんでも会えることを望んだんだ。


〈すみれちゃん

やっぱりダメだったよ

N高校落ちちゃった

でも兄貴は受かったから、3年間よろしくね?

俺は二次募集でS高校に受かりました

すみれちゃんのおかげで最初から保健室で受けさせてもらうこと出来たよ

ありがと

S高校の養護の先生はすみれちゃんみたいな可愛くて若い先生じゃなくておばちゃんだったけどね(笑)〉


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