あの夏の季節が僕に未来をくれた
二次募集のS高校に受かった日の夜、俺は先生に初めてのメールを送った。


こんなにドキドキしながらメールを送ったのは初めてかもしれない。


返信はくるだろうか?


そんなことを思ってる自分さえ可愛く思えて、ニヤニヤしてしまう。


高校なんて正直どこでもよかったんだと不謹慎にも思ってしまった。


手元に置いてあった携帯が震える。


――来た!!


急いで携帯のディスプレイを見ると、すみれではなくクラスの女子だった。


俺に気があるみたいで、ことあるごとにメールしてくる。


悪い気はしないけれど、今は他の女と付き合う気にはなれない。


小さく溜め息をつきながら、そのメールを開いた。


案の定、内容はたいしたものではなく、俺も仕方なく無難な答えを返信する。


すぐにまたメールが来たので、正直面倒になった。


もう返信はしなくていいやと思って、受信したメールを見ると、そこには“宮城すみれ”の名前があった。


――すみれちゃんだ!!


俺はさっきとはあきらかに違うテンションでメールを開く。


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