あの夏の季節が僕に未来をくれた
だけどそんなわがままな俺を、すみれちゃんは根気強く宥めて諭して……


そして……慰めてくれたんだ。


だけどそれだけじゃ足りなくて。


俺は会いたいって言って、すみれちゃんを困らせた。


そんなに言うなら会ってよ!


直接慰めてくれよ!


そんな風に言ったような気がする。


だけどすみれちゃんはやっぱり生徒と個人的に会うことは出来ないって。


自分の高校の生徒じゃないんだからいいじゃんて言っても頑なにそれを拒んで。


そんな生真面目なところも嫌いじゃなかったけど、やっぱり俺は会いたくて。


すみれちゃんはやっと電話ならって譲歩してくれたんだ。


久しぶりに聞く彼女の声は甘やかで少し高めの可愛い声だった。


電話越しの彼女の声は、俺のいろんな場所を刺激して……


一歩近づいたと思われた俺たちの距離は、逆にもっと遠くなったように感じた。


それでも声が聞けることは嬉しかったし、メールじゃもどかしかった思いも伝えることが出来たから……


俺のイライラする気持ちは少しずつ収まっていった。


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