あの夏の季節が僕に未来をくれた
俺がすみれちゃんに自分の気持ちを伝えてから、彼女は言葉通りメールだけは寄越した。


付き合うことは出来ないって言いながら、ちゃんとメールではいろんなこと話してくれるようになって……


会えないから余計に思いは募っていった。


彼女の唇の感触を思い出しながら、もう一度抱き締めたいと強く思う日々。


まだ一年の頃は学校には通えていたから。


行き帰りにN高校の前を通ると、もしかしたら会えるんじゃないかって期待したっけ。


だけど何となく学校に訪ねていく勇気はなくて……


毎日会おうと思えば会える兄貴が、ちょっぴり羨ましかったのを覚えている。


そんな関係が桜が咲く季節まで続いて、俺は2年生になった。


病院には定期的に通っていたし、薬だってきちんと飲んでた。


だけど一向に良くならない状況に、苛ついていたんだと思う。


それまで楽しくメールしていたはずなのに、この頃から彼女に苛々をぶつけるようになった。


彼女でもなんでもない、ただの高校の養護教諭ってだけなのに……


大好きで触れたくてたまらない存在のはずなのに……


自分の体調やどうにもならない彼女への思いを、苛々をぶつけることで解消してたのかもしれない。


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