あの夏の季節が僕に未来をくれた
もう何の痛みも感じないはずの俺の体だけど、しっかりと心の痛みだけは届くみたいで。


兄貴の俺を忘れようとするかのような行動に、チクリと胸が痛んだのは確かだ。


それでも俺がまだ消えずにここに留まっているのには理由があるはずで。


すみれちゃんのことだけじゃない気がして。


やっぱり兄貴に幸せになってもらいたいと、俺は思ってるんだと。


そんな仕打ちをされてもなお、生きてる頃の借りを返したいと思ってる自分自身に苦笑した。


< 80 / 248 >

この作品をシェア

pagetop