ヤンヤンデレデレ


「では、借りも一つ返せたので」


「せめてお茶ぐらい飲んでいきなさいなぁ」


「子供が触れた誉を、早く洗ってあげたい。ここじゃなければ、触った奴らを殴り飛ばしているところだ」


「そんなこと言うあなたを殴り飛ばそうかしらぁ。100m先まで」


「腐っても鯛……」


「悪い子にはお仕置きよぅ!」


びゅんと飛んできた本を片手で受け止めるが、びりびりと頭蓋骨にまで響く痺れは、先の言葉が的確だと証明してくれた。


「誉ちゃん、もう泣かないかしら」


「過去のことでは泣きませんよ」


本をベッドに投げ捨てる。


――新しくしたのか。


あの時のベッドと違うと頭の片隅で思いつつ、先生から目を離す。


< 53 / 307 >

この作品をシェア

pagetop