ヤンヤンデレデレ


【感情に走るのは、あなたを想って】



ワンルーム八畳間たる二人の部屋だが、見る者によっては十二畳ほどあるのではと錯覚する。


物がごちゃごちゃとした“所狭し”の逆、二人の部屋は物が無さすぎた。


家具と言えば、ベッドと机、そうしてソファー程度。テレビやパソコン、本棚でさえ“暇つぶし”に使える物がない。


言わずもがな、二人に“暇”との感覚がないためである。二人っきりの一室に“持て余す暇”はないのだ。ただでさえ、このまま時が止まればいいと二人っきりの時に思うのに――


「今日、何かあった?」


一人掛けソファー。無地のソファーに腰掛ける瑞希は、膝上にいる誉の体を回れ右する。


窮屈であり鬱陶しい、一人掛けソファーの二人座りだが、そうは思わない二人の密着は一日中続くであろう。


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