ヤンヤンデレデレ


【噛みたくなるほど思うこと】





「立松ー、ちょいこれに、『ワン』と言ってみな」


「なんで命令口調なんだよっ」


バックヤードにて、立松近藤コンビの言い争いはもはや日課でもあった。


帰宅準備に取り掛かる樽川は、そんな二人に見向きもしなかったが。


「樽川さーん、みてみて」


などと止められてしまったので、帰るに帰れなくなった。


強引に歩いても良かったが、近藤の腕が通せんぼ姿勢。無理して通れば触ってしまうと、逆手を取られた気になる。


「なんですか」


「バーウーリーンーガルー」


「青い便利屋声でなんだよ」


「二代目の方を意識してます」


「一代目でも似てねーから」


「まあ、ともかく。樽川さんもこれに、『ワン』って言ってみてよ」


< 71 / 307 >

この作品をシェア

pagetop