ヤンヤンデレデレ
「……?」
首を傾げる樽川に近藤は悶絶するが、立松が察する。
「お前、バウリンガルしんねえの?」
一時期流行ったじゃねえかと言っても、樽川は「そうですか」と他人事のように返す。
「彼以外のことは、どうでもいいので」
「今の総理大臣は?」
「興味ないです」
若者代表者のような答えが返ってきた。
「とーもーかーくー、バウリンガルって言うのはね。犬の言葉が分かる機械なのっ。『餌ほしー』とか『遊んでー』とか、犬の鳴き声を日本語にしてくれるのよー」
ここに出るの、と小さなディスプレイを指差す近藤。そんなものがあるのかと、樽川は機械を手にとった。