ヤンヤンデレデレ


――

約束の日。

瑞希は必死であった。



「サンタだーっ」

「サンタさーん!」

「プレゼント持ってるーっ」

「捕まえろーっ」


「であえ、であえーっ」



「寄るな、ガキどもっ」


暴言を吐きながら、施設の庭を走り回る瑞希改め、サンタさん。


ちびっこたちに大人気のサンタさんを、先生は遠巻きに眺めていた。


「みんなサンタさんと鬼ごっこして楽しそうだわねぇ」


「多勢に無勢なリアル鬼ごっこだけど……」


うわぁと、子供=バイ菌と捉えて逃げ回る瑞希に同情したのは美奈であった。


日曜日のため、高校の友人と遊ぶ約束をしていたが、瑞希がサンタコスチュームで来ると聞いたものだから、こうして戻ってきたわけであり。


「瑞希さん、段々とみんなを殴りそうな形相してますけど」


「ここではやらないように躾てあるから大丈夫よぅ」


< 91 / 307 >

この作品をシェア

pagetop