ヤンヤンデレデレ
――
約束の日。
瑞希は必死であった。
「サンタだーっ」
「サンタさーん!」
「プレゼント持ってるーっ」
「捕まえろーっ」
「であえ、であえーっ」
「寄るな、ガキどもっ」
暴言を吐きながら、施設の庭を走り回る瑞希改め、サンタさん。
ちびっこたちに大人気のサンタさんを、先生は遠巻きに眺めていた。
「みんなサンタさんと鬼ごっこして楽しそうだわねぇ」
「多勢に無勢なリアル鬼ごっこだけど……」
うわぁと、子供=バイ菌と捉えて逃げ回る瑞希に同情したのは美奈であった。
日曜日のため、高校の友人と遊ぶ約束をしていたが、瑞希がサンタコスチュームで来ると聞いたものだから、こうして戻ってきたわけであり。
「瑞希さん、段々とみんなを殴りそうな形相してますけど」
「ここではやらないように躾てあるから大丈夫よぅ」