ヤンヤンデレデレ
ニコニコと笑う先生の恐ろしさを知らない美奈ではないが、あの瑞希を躾るだなんて、いったい何をしたんだと気になってしまう。
「誉ちゃんはケーキ切り終えたかしら」
「あ、いや。なんかバカみたいに大きなケーキだから、切るのに一苦労しているみたいですよ」
詮索しようとした好奇心を抑え、台所にいる誉を思い出す。
プレゼントを持って来るとは聞いていたが、ウェディングにでも使われそうな真四角の巨大ケーキを持ってくるとは思いもしない。
当人たち曰く、『何人いるか聞いてなかった』とのことだが、それにしたってあれはと美奈は苦笑する。
「なんやかんやで二人とも、あたしたちを家族だって思っているんですかねぇ」
「早く縁切りがしたいんでしょうね……」
「は?」
「前は30人以上いたから、多分、その“思い出のまま”あのケーキを買って来ちゃったのかもしれないわぁ」