【完】俺に溺れろ!~最強ヤンキー君からのアイラブユー~
だって向坂くん、なんの前触れもなく、
シャツを脱ぎ出したんだもん。
あわあわと一人でおろおろしてると、既
に向坂くんは、シャツを脱ぎ終わってい
て、その下に来ていた、インナー一枚に
なっていた。
「さ、向坂く……」
「これで、いいか?」
じ、と見据えられ、突然そんなことを問
われて返答に詰まる。
これで、いいかって、何が───……
「ワイシャツは……、部屋のハンガーに
掛けてあるから煙草くせーけど、これは
、タンスにしまってあるから、匂い、し
ないだろ」
そう言いながら自分のインナーをつまん
でみせた向坂くん。
あ、私の為に……。
「だって…、煙草が、泣くほど嫌いなん
だろ?……気付いてやれなくて、ごめん
」
そう言った、向坂くんに……。
なにもかも、優しく包んでくれるように
微笑んでくれた、向坂くんに……。