いちご大福






――――♪♪♪



メールの受信音で目が覚めた

いつの間にか寝てたみたい

頭重い…


熱、上がってるのかな



なんで下がんないの…バカ


ケータイの時計を見るともう昼近くになっていた


"コンコン"




「どうぞ」


「ネオン?起きてる?」


蓮お兄ちゃんの声

タイミング悪いなぁ…

「起きてるよ。」


具合が悪いのがバレないように、無理やり体を起こした



「点滴は…終わったな。調子どう?」


「ちょっとよくなった気がする」


「本当に?」


蓮お兄ちゃんは鼻と鼻が当たる距離まで顔を近づけてきた


「本当…だし」


「目、泳ぎまくりですけど?」


目が泳いでるのは…

お兄ちゃんのせいじゃん

蓮お兄ちゃんはニヤニヤしながら顔を離した


「横になってろ。」

反抗する力もなくベッドによこになった


「こんぐらいで退院遅くなったりしないから。心配すんな」

「ホントに?!よかったー」


重かった体がフッと軽くなった


「やっと笑った」


蓮お兄ちゃんは大きな手で、頭をぐしゃぐしゃと撫でてきた

一緒にいた頃もよく撫でてくれた


「子供じゃないっていってんじゃん」


「ネオンやっと、大人になったんだね」


「ぇ・・・?」





その瞬間蓮お兄ちゃんの目付きが変わった


子供を見る目じゃない


男の眼だ



「…蓮お兄ちゃん…?どうし…」


------------ドンッ


ベットに力ずくで押さえつけられた


「蓮お兄ちゃん‼︎どうしたの‼︎…」






































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