いちご大福





***蓮side



「上村先生、お飲み物いかがですか?」



真美がコーヒー片手に近づいてきた



「あぁ、サンキュ」



真美は少し会釈してナースステーションに戻っていった



ふと時計に目をやると


もう日付が変わっていた



ネオンの様子見に行こうと思ってたのに、タイミング逃したな・・・



今日は(正確にはもう昨日だけど)がっつり説教したからおとなしく寝ているだろうが・・・


最近は反抗期なのかなんなのか全然素直じゃなくなってるし



こんな子じゃなかったんだけど・・・



というか、誠をあの学校の保健医にしたのは大きな間違いだった



完璧にネオン狙ってるし・・・



ネオン気づいてないみたいだけど



早く手を打っておかないと・・・



「上村先生、夜の検温の結果です」



「ん、ありがと。」



検温の結果に目を通すとネオンの結果だけが抜けていることに気がついた



「真美。ネオンのは?」


真美は言葉を濁しているようだ



「それが・・・どうしても嫌だって拒まれてしまって・・・すみません」



やっぱり・・・


しばらく見ないうちにネオンの病院嫌いは悪化しているらしい



まぁでもこれで様子を見に行く口実が出来たってところだ



真美でも拒まれるとは相当だな



「いや、俺が様子見てくるからいいよ。ありがとう」



「はい・・・」



さて・・・



わがまま娘の様子を見に行くとしようか・・・







< 32 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop