†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
第18夜.愛すべき者
すると、大きな瞳を輝かせ俺を見つめ返してくる。
その月のような琥珀の瞳には、俺だけしか映し出されていなくて
それが無性に嬉しく思う。
出来ることなら、このまま俺だけを映していて欲しい。
俺以外、誰も映してほしくない・・・なんて。
いつから俺はこんなにも独占欲の強い男に
なってしまったんだろう。
と、自嘲してしまった。
もちろん、瑞姫限定だけど。
そんな俺が可笑しかったのか、瑞姫は首を傾げながら
「どうかしたの?」と聞いてくる。
「悪い。ちょっと、昔の事を思い出したんだ。」
「昔の事?」
「あぁ、俺が初めて真神村に行った時の事・・・。」
「聞きたい。教えて?」
と、大きな瞳を上目遣いにしてジッと俺を見つめお願いしてくる。
こんな事、計算ずくでされたら興冷めなんだけど
瑞姫は素でこれをしている。もちろん本人は無自覚。