†*†ヴァンパイア学園†*†  巫女姫×王子


「っ・・・何の用?」

「冷たいなぁ。怪我人には治療が必要なんだろ?」

「・・・あなたには、その必要はないはずでしょ。」




だって、あなたはヴァンパイアだから。

そう、彼から放たれる気は紛れもなく人間のものとは異なっている。

同族となった今となっては、それが良くわかる。

それに、彼からは禍々しい気配を感じた。




「君に、逢いたくてね。」

「あなたは、誰?」

「ふふ・・・そのうち、分かるさ。じゃぁね、姫さま。」




意味深な言葉を残して、彼の姿が揺らぎ始めた。

これは、彼がこの場から消えることを意味する。




「ちょっと待って。」

「また、近いうちに会えるよ。」




その言葉だけを残して、彼は姿を消した。

そして、それと同時にガラッと大きな音をたてて保健室の扉が開いた。


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