†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
扉を開けて入ってきたのは、冬夜だった。
焦った顔をして、いつもの彼らしくない。
「瑞姫っ、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫・・・どうして冬夜がココに?」
「あぁ、学園内に不穏な気配がしたから。」
「そっか、ありがと。」
「誰が来た?」
「分からない、見たことのない男の子だった。」
「何もされてない?」
「うん。」
「良かった。」
言葉を交わしながら、近づいてきて
私をふわっと抱きしめた。
冬夜の香りが、鼻腔を通り体中にしみこむ。
それにより強張っていた体がフッと緩み、自然と涙が込み上げてきた。
「もう、大丈夫だから。」
「ん・・・ありがと。」
涙声になるのを必死にこらえながら、冬夜の背中に両腕を回して
ギュッと抱きしめる。