†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
え?と思わず顔を上げ、彼の顔を見る。
街灯に照らされた、アメジストの瞳がキラリと輝く。
「お前は、学園の薔薇だ。」
「でも、それは・・・」
「行くぞ。」
「どこへ?」
「一人になりたくないんだろ?」
くるりと背中を向け歩き出した。
私は、呆然と彼の背中を見ていたけれど
暗闇と無音の世界に取り残されるようで、急に怖くなって
彼を追いかけた。
冬夜さんは振り返ることなく、薄暗い空間を歩いていく。
道なんて見えないのに、まるで見えるかのようにスタスタと
迷いなく足を進ませる。