†*†ヴァンパイア学園†*† 巫女姫×王子
「冬夜も飲む?」
「あぁ。」
颯斗は、カップを二つ用意するとティーポットから温かい紅茶を注ぎ始める。
部屋中にアールグレイの香りが漂い、二人を包む。
「なぁ、颯斗。あいつは、今夜のことを覚えているんだろうか。」
「今回は記憶操作してないんだろ?なら、覚えているさ。」
「あいつが全てを思い出したら・・・どうなるんだろうな。」
「大丈夫。あの子は、賢い子だよ。」
優雅な仕草で、カップを口に運び紅茶を啜る。
冬夜もまた、ソーサーごと受け取り窓を背に紅茶を啜った。
「ホント。冬夜はあの子の事になると、平常心じゃなくなるよね~」
「ぅるさい。」
カチャとカップをソーサーに置き、顔だけ窓の方に向けた。
その耳がほんのり赤くなっているのに気付き
颯斗はクスッと笑って、また一口紅茶を啜った。