本物の愛をちょうだい。
それから、俺はのぞみと
よく、会うようになった。


学校の屋上で…


「なあ、気になったんだけどさ…。
最近、妙にさぼってないか?」


「不良じゃなきゃさぼっちゃいけないの?」


「いやそうじゃねえけど…
なんか元気ないから。
悩みでもあんのかな~なんて…」


そもそも、最初に会った時も授業中だったし…


のぞみみたいなお嬢様が
授業をさぼるように思えない。


それに、よくぼおっとしている。



「富澤くん…」

ぎゅ…


のぞみは急に俺のブレザーを握った。


「ん?」


「私…家が嫌い。」


「え?」


「お嬢様なんて言われたくない。」


「何で?」


「だって、私は普通の女の子よ。
それなのに…
お父さんは、私をグループの跡取りだからってプレッシャーかけてくるし…

自分の顔に泥を塗るなだとか…


結局私はいい人形なのよ…」


「……。」


「自分の世間体ばっか気にして…
妹はね、大事にされてるの。
可愛がられてる。

もう嫌なの…
お嬢様扱いは…」


「それでタバコを?」


「それはなんとなく…」


「ふうん。
のぞみもいろいろあんだな…
じゃあさ、俺がいろいろ教えてやるよ。」


「いろいろ?」


「お嬢様にはできないこと♪」



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