雪解けの水に潜む、紅
見つけ、終わらせ



それが再開されたのは、二ヶ月も経った後だった。


「我々は勝利を確信していた。あの山に住むというあいつらを丸め込むことが出来たとき、我々の勝敗は決まったも同然だった。しかし、我々はあいつらを見くびり過ぎていたようだ。」


そこから先は黒こげて読めなかった。だけど、私には見覚えがあった。
この紙の焼け方も、あいつらという単語も、見くびるような力を隠すことが出来る生き物。

わたしは知っていた。皆、よく知っているはずだ。


ドラゴンはこの国を滅ぼした。

ドラゴンで力を得ようとした哀れな奴隷たちは。

ドラゴンによってその命を絶たれた。



「この国の王のことは、よく判ったけれど。」


< 105 / 121 >

この作品をシェア

pagetop