また明日…また明日…
このまま
時間が止まればいいのに。
そう何度も願った。
そんな願いに耳を傾ける事なく
着々進む時の流れ。
気づけば、30分も程話していた。
そろそろ
私の手が寒さでかじかんで
きた頃だった。
「 サエ、今外だろ? 」
「 え、うん。 」
「 俺もまだ電話したいけど、風邪引く前に帰れよ 」
「 そうだね じゃあそろそろ帰ろうかな… 」
受話器を離したくない。
帰りたくない。
でも、敬介に心配をかける訳にはいかない
私は電話を切ろうとした。
受話器を耳から離した瞬間、
敬介の声が聞こえた。
「 もしもーし。おーい。サエー? 」
「 え?ん?はーい 」
焦って変な声が出て、
一瞬恥ずかしくなった。
それよりもどうしたんだろ…
すると、また敬介の声が聞こえた。
「 えっと…んー… 」
何かモジモジしている敬介。
少し可愛く思えた。
「 どうしたのー? 」
「 いや。対した事じゃねぇんだけどさ。 」
気になる。
なんだろ?
少し沈黙が走った。
そして敬介が言う。
「 また明日な。」
幸せなのは、
今だけじゃないんだ。
明日も、明後日も、明々後日も、
毎日幸せが待ってるんだ。
「 ばいばい 」は言わないよ。
「 また明日 」
それだけで、
私と敬介に明日が訪れるって
思えた。
「 また明日ね 」
そして
また
私は一人で暗闇を歩き出す。