また明日…また明日…
もう、何分位歩いただろうか。
私は暗闇の中で一つの光を見つけた。
公衆電話だった。
産まれて初めて、公衆電話をありがたいと感じた。
薄いセーターのポケットに入れていた小銭を公衆電話に入れた。
敬介の電話番号は覚えている。
そして
指を動かし、
激しく打つ鼓動を抑えながら
電話をかける。
呼び出し音が鳴る度に
私の心は踊った。
「 …はい 」
敬介だ…あの声だ…
溢れかけの涙を我慢して
震える声で名前を言った。
「 サ、サェです… 」
どんな返事が返ってくるか
ドキドキした。
もしかしたら、
音信不通の間に彼女が出来たかもしれない…
私の事を忘れてるかもしれない…
いろんな不安が頭の中で交差する。
「 サエ?!どうしたんだよ。電話もないしさ… 」
覚えてくれてた…。
少し安心した。
「 ごめん…私ね… 」
そして私は全てを話した。
担任の事…親の事…
「 そっか…もう、俺の事は話したりしたらダメだよ?俺もサエも苦しくなるだけだからさ 」
敬介は優しい声でそう言った。
敬介との約束事が出来た。
だから、もう言わない。
信用しない。
私と敬介は「 愛しあえてる 」
それだけで充分だよね。
周りの意見は敬介を批判する言葉ばかり。
何も知らないのに。
ただそれだけが心で渦巻いていた。
「 私…敬介が好きだよ 」
思わず出た言葉。
「 知ってるよ 」
「 ずっと、ずっと大好きだよ 」
「 俺もだよ 」
「 信じるって言ってるけど、不安になる時もあるの… 」
「 知ってるよ 」
「 私ね…私…ね 」
ついにこぼれ落ちた涙。
でも
寂しい涙でも
悲しい涙でもない。
言葉じゃ伝え切れない、
敬介への「 愛 」が涙となって
溢れ出たの。
ごめんね敬介…
涙が止まらないよ
もう1人じゃないんだって、
今安心したの。
敬介への「 愛 」が止まらないの
大好きだよ
愛してるよ
ずっと声を聞いていたい。
優しくて、男らしくて、愛情を感じる事の出来る
敬介の声。
「 泣くなよ…俺が抱きしめる事もその涙を拭う事も出来ねぇ時に泣くんじゃねぇよ… 」
遠距離でツライのは
私だけじゃなかったんだ…
敬介もツライんだ…
もっと強くならなくちゃ。
泣いてちゃいけない。
もう、泣かない。
ツライ時は
お互い支えあって、慰めあって、
乗り越えていこうね。
どんなに離れていても私と敬介の愛の絆は
変わらない。