また明日…また明日…
「 ねぇ、なんな訳? 」
つい出てしまった。
「 は?何が? 」
自覚無しか。
無意識の内に出てるんだ。
「 何で女の子の話ばっかりするの? 」
「 別に。」
「 別に。」って…
敬介が何を考えてるのか分からない。
私の感情なんて
関係ないんだね。
もういい。
今日は話たくない。
早く電話を切りたい。
でも、耳から受話器を離せない。
話したくないはずなのに、
敬介の声はずっと、聞いていたい。
わがままって分かってる。
自分が重い事言ってるのも分かってる。
でもね、
怖いの。
敬介が離れていきそうで怖い。
私の勝手なやきもちで
大きな恋の花を枯らせたくない。
好きなのに
空回りばかり。
「 ごめんね…やっぱり何もない… 」
私が悪い。
敬介はただ、いつもみたいに
話しただけ。
それをヤキモチと結びつけてしまったのが
間違いだった。
ただ好きなだけなのに。
敬介が口を開いた。
「 サエ、妬いてんの? 」
やっと分かってくれた。
「 …うん。」
「 なんで?」
なんでかって?
決まってるじゃん。
「 私は…敬介を独り占めしたいの。なのに、敬介の気持ちは全然私に向いてない。元かのとSEXした事も本当は聞きたくなかった。前の席の子と一緒に帰った事も。」
敬介は黙っていた。
何か言ってよ。
謝らなくてもいいから。
この状況で沈黙を作らないで。
敬介の沈黙は続く。
もう我慢出来ない。
「 黙んないでよ… 」
「 うん。」
今日はもう電話切った方が
良さそうな気がする。
私が何を言っても
「 うん。」
としか返事が返ってこない。
「 もう、切るね 」
「 分かった。またな 」
冷たい風が
体にしみる。
針のように後悔が
胸に突き刺ささる。